黒石寺蘇民祭:令和7年、炎と裸の男たちの祭りは幕を閉じる?!
イベントの概要
岩手県奥州市黒石寺にて、古くから伝わる伝統行事「黒石寺蘇民祭」が、令和6年(2024年)2月17日(土)午後6時~11時に開催されます。これは、旧暦正月7日夜半から8日早暁にかけて行われる、厳寒積雪の中での裸祭りで、災厄消除・五穀豊穣を祈願するものです。 しかし、令和7年(2025年)以降は、関係者高齢化と担い手不足のため、この伝統ある祭りは開催されないこととなりました。
蘇民祭は、「夏参り」「柴燈木登り」「別当登り」「鬼子登り」「蘇民袋争奪戦」の五つの行事から構成されています。「夏参り」では、ロウソクをともした角燈を持って山内川で身を清め、妙見堂から薬師堂を三巡します。「柴燈木登り」では、松の木の積み木に火をつけ、その上に登って火の粉を浴びます。「別当登り」では住職が護摩を焚き、「鬼子登り」では数え年7歳の男児が鬼面を背負って本堂に登ります。そしてクライマックスは「蘇民袋争奪戦」です。将軍木で作った小間木(蘇民将来護符)が入った蘇民袋を裸の若者たちが奪い合う、熱気あふれる光景が見られます。この小間木を手に入れると厄災を逃れるといわれています。
2024年の蘇民祭は、例年とは異なり、午後6時~11時という短縮された時間で行われます。長年にわたり黒石寺蘇民祭を支えてきた関係者の方々には、心からの感謝を伝えたいと思います。また、蘇民祭を楽しみにしていた皆様には、大変申し訳ございませんが、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。 令和6年の蘇民祭を最後に、この伝統行事が幕を閉じることが決定したことは、深く残念ではありますが、関係者の皆様の今後のご健康とご活躍を心よりお祈り申し上げます。
基本情報
- 開催日: 令和6年2月17日(土)
- 開催時間: 午後6時~11時
- 住所・開催場所: 岩手県奥州市水沢黒石町字山内17 妙見山 黒石寺
- 令和7年以降の開催: 中止
主なイベント
黒石寺蘇民祭は、旧暦正月7日夜半から8日早暁にかけて行われる、厳寒の雪中での裸祭りです。災厄消除と五穀豊穣を祈願する、古くからの伝統行事であり、独特の雰囲気と熱気に満ちたイベントです。しかし、令和7年以降は中止となります。
夏参り(裸参り、祈願祭)
午後10時頃から始まる夏参りでは、厄年の方や祈願を希望する人々が、ロウソクをともした角燈を持って山内川(瑠璃壺川)で身を清めます。「ジャッソー、ジョヤサ」の掛け声とともに、妙見堂から薬師堂を三巡し、厄災消除と五穀豊穣を祈願します。寒空の下、裸で神聖な儀式を行う姿は、蘇民祭の象徴的な光景です。参加者は、身を清め、祈りを捧げることで、心身ともに新たなスタートを切ろうとします。
- 内容:山内川で身を清め、妙見堂から薬師堂を三巡する祈願行
- 特徴:ロウソクの灯りと掛け声、厳寒の気候の中での裸の行進
柴燈木登り
午後11時半頃からは、本堂前に長さ五尺の松の木を井桁に積み上げて火を点じ、この上に登って火の粉を浴び、身を清め厄を払う「柴燈木登り」が行われます。一同で山内節を歌い、気勢を高めます。火の粉を浴びる行為は、古来より災厄を祓うと信じられており、参加者たちは勇気と決意をもってこの試練に挑みます。この儀式は、蘇民祭のクライマックスの一つであり、参加者たちの熱意と一体感が感じられる瞬間です。
- 内容:松の木の積み木に火をつけ、火の粉を浴びて身を清める儀式
- 特徴:火と寒さとの戦い、山内節の歌唱による一体感
別当登り
午前2時頃から、住職が蘇民袋を従えて本堂に登り、厄災消除・五穀豊穣の護摩を焚きます。住職による神聖な儀式は、蘇民祭の重要な部分を担っており、参加者たちは静かにその様子を見守ります。この護摩の煙は、厄災を浄化し、五穀豊穣をもたらすと信じられています。神聖な雰囲気の中で行われるこの儀式は、参加者たちの心に深い感銘を与えます。
- 内容:住職による厄災消除・五穀豊穣の護摩焚き
- 特徴:神聖な儀式、蘇民袋の役割
鬼子登り
午前4時頃からは、数え年7歳の男児2人が麻衣をつけ、鬼面を逆さに背負い、大人に背負われて本堂に登る「鬼子登り」が行われます。鬼子が本堂に入った後、住職が外陣に出て曼荼羅米をまき、外陣中央にある護摩台に燃えさかる松明が置かれ、鬼子がその周囲を三度めぐります。この儀式は、蘇民祭独特の風習であり、子供たちの無邪気さと神聖な儀式との対比が印象的です。
- 内容:数え年7歳の男児による本堂への登拝、曼荼羅米の撒布、松明めぐり
- 特徴:子供たちの参加、独特の風習
蘇民袋争奪戦
鬼子登りが終了すると、いよいよクライマックスの「蘇民袋争奪戦」が始まります。将軍木で作った長さ3センチほどの六角柱の小間木(こまぎ)が五升ぎっしりつまった蘇民袋を、裸の若者たちが奪い合います。開始後まもなく袋に刀が入れられ、中の小間木が飛び散りますが、この小間木を持っていると厄災を逃れるといわれ、若者たちは競って手に入れようとします。カラになった袋の争奪戦も1時間ほど続き、審判役の親方が取主を判定して祭りは終了します。この熱気あふれる争奪戦は、蘇民祭の最も見どころの一つであり、参加者たちの興奮と一体感を象徴するイベントです。
- 内容:蘇民袋の中の小間木を奪い合う争奪戦
- 特徴:裸の若者たちによる熱気あふれる競争、厄災除けの護符としての小間木
アクセス方法
黒石寺へのアクセスは、お車、公共交通機関ともに可能です。お車でお越しの際は、黒石寺周辺の道路状況にご注意ください。公共交通機関をご利用の場合は、最寄りの駅から黒石寺まで徒歩またはタクシーをご利用いただけます。詳しい経路については、黒石寺の公式ウェブサイトまたは公式LINEをご確認ください。
- お車の場合:黒石寺周辺には駐車場がありますが、台数に限りがあるため、公共交通機関のご利用をおすすめします。
- 公共交通機関の場合:最寄りの駅から黒石寺までは、徒歩またはタクシーをご利用ください。具体的な経路は、黒石寺の公式ウェブサイトまたは公式LINEでご確認ください。
駐車場情報
- 黒石寺周辺に駐車場がありますが、台数に限りがあります。満車の場合は近隣の有料駐車場をご利用ください。